熱い青春小説

久しぶりに「熱い」小説と出会いました。野沢尚の『反乱のボヤージュ』。集英社文庫の新刊で出ています。


野沢尚(今年6月に44歳の若さで死去)と言えば、『眠れる森』などドラマの脚本家としてのイメージが強くてこれまで作品は読んだことはなかったのですが、新聞の広告を見たときに面白そうだなーと思って買ってみたわけです。ちなみにこの作品も結構前にスペシャルみたいな感じでドラマ化されていました。


要は、青春小説。舞台は取り壊されそうになっている学生寮。学生と大学側の対決、これだけでも一部の人はそそられそうなテーマですよね(笑。もちろんそれだけが書かれているわけではないし、時代設定は現代なので古臭いわけでもありません。


登場人物の一人一人がしっかりと特徴付けられているから、読み進めながら場面をイメージしやすくなっているし、文章自体も読みやすく書かれているので、誰にでもオススメできる作品だと思います。内容については深くふれませんが、最近熱いものから遠ざかっているなーと思っている人はぜひ読んでみて欲しい。


特に、学生の身分にある人だったら絶対に何かしら感じるものがあるであろう、見事な出来の青春小説です。